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岡田准一、木村大作監督の涙にもらい泣き
それぞれの映画人生を込めた"魂の一作"が遂に公開!!
「散り椿」初日舞台挨拶

2018年09月28日

「散り椿」初日舞台挨拶

<左から、木村大作監督、黒木華さん、西島秀俊さん、池松壮亮さん>


過去に日本アカデミー賞最優秀撮影賞を五回受賞し、「劔岳 点の記」では最優秀監督賞も受賞している木村大作が映画人生60周年を迎えて監督撮影を担当した時代劇「散り椿」が9月28日(金)に公開。東京・日比谷のTOHOシネマズ 日比谷にて行われた舞台挨拶に木村監督、主演の岡田准一さんをはじめ、西島秀俊さん、黒木華さん、池松壮亮さんが登壇。初日を迎えて感極まった木村監督につられて岡田さんも思わず涙! 温かい感動に包まれたこちらの舞台挨拶の模様をレポートいたします。


岡田准一さん(瓜生新兵衛役)
初日というのは僕らにとってすごく大きなことです。また、皆さんにお金を払って足を運んでいただける嬉しさを感じられる日でもあります。大作さんと一緒に今日を迎えられることを嬉しく思っています。(木村監督も)感極まっていらっしゃいますが、本当に嬉しく思っております。
西島秀俊さん(榊原采女役)

皆さんと、こうして直接お話しできることを嬉しく思っています。大作さんをはじめ、僕たちが魂を込めて...大作さんは特にですね。命がけで撮った時代劇を皆さんに観ていただいて、直接こうやって交流できることが嬉しい限りです。
黒木 華さん(坂下里美役)

美しい富山の自然の中で、スタッフ、俳優部のみんなが一緒になって「一つの作品を作るんだ」という大作さんの下、本当にいろんな経験ができたと思います。そして、そんな作品を皆さんに観ていただけたことをすごく嬉しく思います。どういうふうに思ったのかなど、皆さんの顔を見ながら感じることができたら嬉しいなと思います。
池松壮亮さん(坂下藤吾役)

今日は初日からありがとうございます。
木村大作監督

(急に両手を挙げて、叫ぶように)わー! 泣きそうなんです...。今日は本当にありがとうございました。来年80歳になる男が、皆さんを見て感動しております。

MC:キャストの皆さまは、木村大作監督との「散り椿」を振り返られて、どんな思い出が残っていますでしょうか?

岡田さん:
(木村監督の姿にもらい泣きしつつ)本当に大作さんの、"想い"みたいなものを...すみません。

西島さんが岡田さんにハンカチを差し出す。

岡田さん:
(大作さんと)共にやれて良かったです。(西島さんに)僕の代わりにしゃべってください(苦笑)。...大作さんが、人生をかけてここに立っているのを現場でも感じていました。さっき、(大作さんが)感極まっていたのを見て、もらい泣きをしましたが、「映画ってこうなんだな」と、「一本一本に思いを、人生をかけて撮られている背中」を大作さんに見せていただきました。

西島さん:
大作さん、本当に最後のカットを撮ったときに倒れられて、なんか変な話、本当にこのまま...。

岡田さん:
そうなんですよ。倒れたんですよね。

西島さん:
お堂みたいなところで、寝ていてね。

岡田さん:
複雑でしたね。駆け付けたいけれど、駆け付けたら頑張って立ち上がってきちゃうかもしれないし、起き上がってくるのを待っていました...。

木村監督:
本当の話です。"このカットを撮ったらすべての撮影が終了する"という時に、それまでギャーギャーと言っていたのに、気分が悪くなりまして、「やばい」と、みんなから離れてお堂の方に行って、吐いたんです。自分は、仕事のときは朝飯も昼飯も食べないんです。食べられないというか、コーヒーだけ飲んじゃうんです。(コーヒーを)魔法瓶一本、仕事のときは飲んじゃうんですが、吐いたのが茶色だったので最初は血だと思って「僕もいよいよ終わりだ」と思いました。ただ、このラストカットで死んだら確実に"新聞に大きく出る"ので、「それもカッコいいな...」なんて、思って寝ころんじゃったんです。でも、その後「これ、飲んでみますか?」って、ユンケルの高いやつをを二本持て来てくれて、それを飲んだらケロっと治っちゃった。恥ずかしいお話ですが...もう大丈夫ですよ。いつものようにやりましょうか?

岡田さん:
戻りましたか? 良かったです。

黒木さん:
木村監督はご飯のときに、たくさん話をしてくださいました。黒澤組のスクリプター(映画撮影の記録係)の野上さんがいらしたときには、全身真っ白のスーツを着て「僕が一番カッコいい監督だ」っておっしゃって、何てチャーミングな方なんだろうって思いました。パワーもあるし、すごく雰囲気を作ってくださる監督なので、楽しかったです。それに、男性陣の「ギュッと男同士の愛」じゃないですが、そういう「熱いもの」を間近で見られた気がします。岡田さんと監督のかけあいを初日から見てしまい、最初はちょっと不安でしたが、「面白い現場なんだな」とすぐに思いました。

池松さん:
思い出、たくさんあります。...具体的に(笑)? たくさんありますが...、毎日いろんな言葉や、背中で教えてもらうことがありましたね。なんか..."遺作"みたいな流れになっているけれど、大丈夫ですかね(苦笑)? 僕はまだ(木村監督に)撮ってほしいんですけれど。

岡田さん:
そうですね、撮ってほしいですね。

池松さん:
(この映画が)お気に召さなかった方も、最悪いい感じで宣伝してもらわないと、本当に遺作になってしまうので(笑)。よろしくお願いします。

MC:俳優部の愛が伝わってきますがいかがですか? 

木村監督:
岡田さんとは42歳、黒木さんとは50歳くらい違うんですよね、おじいさんだな...。ただ、僕は気持ちが若いので、全く違和感はないんです。毎晩、俳優さん、スタッフさんと食べ歩いていました。毎晩、ご飯を食べられるってことは、夕方には必ず仕事が終わっているってことなんです。ご飯が楽しみで「OK、飯行こう! 今日は焼肉」ってそんな組です。僕だけが阻害されたりすることもなく、仲良くやっていました。

岡田さん:
大作さんが楽しんでいるのが、みんなの幸せでしたね。大作さんが毎日、楽しそうに撮影して「撮れてるよ」と言ってくださったり、ごはんに行ったり笑顔でいてくれることがみんな嬉しかったんです。

MC:観客の皆さま、映画はいかがでしたか?(客席:大きな拍手)

木村監督:
嘘じゃないと思うので、いろいろ「良かったよ」って、たくさんインスタグラムで宣伝してください! 

MC:監督のインスタをフォローしている人?(客席:多くの人々の手が上がる)

木村監督:
どうもありがとうございます。

MC:改めて、キャストの皆さんから、完成した映画の感想をお聞きしたいと思います。

岡田さん:
大作さんの画からは艶っぽさ、色っぽさが出ているので、「艶っぽいな...」と思ったし、(作品に)呼んでいただいて、一緒に仕事ができて幸せだなとすごく思いました。

西島さん:
「本格的な時代劇を撮れる人は、もう大作さん以外にはいないな」って感じましたね。オープニングの雪の中の斬り合いから、「これはどうやって撮っているんだろう?」って思いました。終わってから、岡田くんに「あの雪、どうやって撮っているの?」って聞きました。それは「経験」と「知識」がないと撮れません。「全く新しい革新的な殺陣」と、「新しい時代劇を撮るんだ」という本来ならば「矛盾する両軸」を両立させながら、この映画を動かしていく情熱がすごいなと思いました。本当にこの映画に参加できて幸せだなと思っています。

黒木さん:
(監督は)「本物は本物でしか撮れない」と、おっしゃっていました。監督が、雨の降らせる量を増やして撮影をすると、本物以上の美しさや、場面がすごく劇的になっています。武士の美しさもありました。最初に「美しい時代劇を撮る」と、おっしゃっていて、まさにその通りだなと思いました。

池松さん:
「美しい話、美しい時代劇」だと、たくさん言われますし、そうやって宣伝してきました。でも、決して「美しい人の話」じゃなく、「美しくあろうとする人」「正しくあろう」「誠実であろう」とするその"精神性"を総じて美しいと思いました。それは大作さんから来るもので、本当に参加できて良かったです。あと、とにかく画が素晴らしい! なんか「インスタ映え」って言葉が流行っているらしいですが、インスタ映えどころの話じゃないですからね。だから、インスタに自信がある人は...。

西島さん:
もう、インスタはいいんじゃない?

池松さん:
「インスタ映え」とか言っている人に、大作さんと戦ってほしいなと思って。

西島さん:
大作さんもやっているからね、インスタ(笑)。

池松さん:
本当に、自然の息づかいが、こんなにも「映る」ものなんだと教えてもらいました。もし遺作になったら...と考えると、いろいろとデータで残してほしいなと思います。

MC:皆さんの周りで映画をご覧になった方々、お友達などの感想など聞こえてきますか?

西島さん:
そうですね、僕の友達はまだ観ていないので...でも、すごく友達は楽しみにしています。すみません(苦笑)、僕の友達は、普通の人しかいないので...。

岡田さん:
大作さんがキャメラマンをした作品(「追憶」)で一緒だった小栗(旬)くんが、推薦コメントを書いてくれていますが、「素晴らしいコメントをありがとう」という話をしました。

木村監督:
全国九カ所をまわって、いろいろな素晴らしい反応をいただいて、感動しながらキャンペーンをやっていました。その中で、女性の方の感想に「この映画の殺陣は、会話を感じた」とありました。それは岡田さんが、「会話を感じるように殺陣を作った」ということがそのままお客さんに伝わっているということなんです。映画界の人は、映画を観ると粗ばかり探すけれど、一般の方はすごく素直に観てくださる。とくに日本の方はそれがハッキリしていて、僕は悪い評価を今まで一回も聞いていないんですよ。何かあったら言ってください! ないよね? 僕にはその自信があります。今日、この映画を観て、みんなに伝えてほしいと思います。今日だけ(観客が)いっぱい入ってもしょうがないんです。台風が近づいていますが、「『散り椿』は台風に負けない!」と、僕の力で何とか日本海の方にそらしたいんだけれど、自然だけはどうしようもないんでね。でも、明後日(台風が上陸しても)、カッパを着て劇場に来てください!

MC:岡田さんは、木村監督とキャンペーンをご一緒されていて、新たな発見はありましたか?

岡田さん:
大作さん、この一週間、ずっとセンチメンタルになっているんです。現場や業界では「怖い」と有名な方なんですけれど、この一週間は、「准ちゃん、寝られないんだ」って、様子がおかしいんです。そんな大作さんの映画に対する思いや、初日に対する思いをずっとそばで見ていたので、さっきはヤバかったですね...。

MC:今日も監督はそんな感じで?

岡田さん:
そうなんですよ。入る前から「ヤバいな」と、ずっと思っていたんですけど...ね? 大作さん、もう大丈夫ですよね? 

木村監督:
もう大丈夫!

岡田さん:
すみません、僕がもらい泣きしちゃって(笑)。

MC:富山でスタートして、全国津々浦々をまわって、岡田さんともご一緒していかがでしたか?

木村監督:
僕は、この映画の世界で一番おしゃべりだと思います。いつも隣で岡田さんの話を聞いているんですが、すごいですね。名古屋では17社の取材を受けたのですが、僕は途中で倒れそうになりました。でも、それを全部乗り切れたのは、岡田さんが滔々(とうとう)と隣で一生懸命しゃべっている姿を見て、「自分も頑張らなきゃ」と思ったからです。僕も相当の頑張り屋さんですが、それ以上の頑張り屋さんでしたね。僕がキャメラマンをずっとやってきて、10年前に突然、監督をやり始めました。監督で何が一番しんどいかってお客さんが来るか来ないかなんですよ。後のことは天国ですよ。僕の場合、大谷(翔平)だからね、二刀流でも誰にも文句を言われずに、自分の好きなようにやっているんです。それで、今日のようにお客さんがたくさん来てくださると、本当に感動します。これが(ガラガラで)ポツン、ポツンとだったら、本当に泣き崩れますね。哀しい性(さが)だけれど、「今日もあそこの席が一つ空いているな」とか調べているんです。映画人は数多くのお客さんに観てもらうのが一番の幸せだと思います。

MC:キャストの皆さんから、今日だからこそ言いたい、木村監督への感謝の思いなどをお聞きしたいと思います。

木村監督:
皆さんが聞きたいのは僕に対するお上手(お世辞)じゃないと思うんだよな。全部、僕に向けてくれるんだけれど...。

MC:そんなことはないですよ。池松さんからお願いします。

池松さん:
こういった場で感謝の気持ちを伝えるのは苦手なんですが...。とにかく、僕は二作目の参加で、人生のひと時を見せてもらったことを光栄に思っています。何より大作さんには毎日ご飯を食べさせてもらったことに感謝しています。いっぱいあるんですよ。あるんですが、そういう思いっていうのはこういう場ではなく、心の宝物にしていきます。伝えても一緒でしょうから...とにかく感謝しています!

木村監督と池松さんが握手

黒木さん:
こんな28歳の若輩者に「大ちゃん」と呼ばせてくれたことを一番感謝しています。時代劇に結構、出ることが多いのですが、今までの時代劇とは違う...何でしょう? 感覚なんでしょうが、そういうお芝居をできました。「僕が誰よりも美しく黒木華を撮るから」とおっしゃって、自分自身なので「美しい」とは思えないんですが、映画の中には「里美さん」という女性が「美しく」映っていたと思うので、女優として嬉しかったですし、感謝しています。

木村監督と黒木さん、抱擁

西島さん:
僕がこの世界に入ったのは、「撮影所に潜り込みたい」という、撮影所で映画の撮影をしていればそれだけでいいと思ってこの世界に飛び込みました。そうしたら、もう撮影所システムは崩壊していました。でも、どこかにそういうものを求めて、今までやってきたところがあります。今回、大作さんとご一緒して「これだ」と思いました。撮影所の人たちの情熱や熱気は、まさに"これ"なんだと、日々、大作さんを見るだけで感動していて、遅れてきた後輩にも「活動屋の息吹」を感じさせてくれたことに感謝しています。初めてお会いしたのが殺陣の稽古で、「大ちゃん」と呼んでくれと言われたのですが、呼べませんでした。でも、次回からは呼ばせていただきます。ありがとうございました。

木村監督と西島さん、握手

岡田さん:
皆さんの前で言うのも不思議ですが、大作さんと短い期間に二作連続で撮影に参加させてもらって、大作さんの「生き様」とか「培ってきた人生」を全てぶつけて取り組んでいる姿を身近で見せてもらいました。歳が離れていますが、大作さんの孤独を知った時に「一番の理解者」でいたいと思いました。大先輩に対して、言葉は悪いですが「友」のように思いながら、一緒に撮影をさせてもらいました。ずっと大作さんは「今、人生の終焉を歩いている」とおっしゃっていますが、そんなときに、「僕とやりたい」と言ってくださる重さをすごく感じながら、光栄に思っています。大作さんがこれを終わりと思わずに、一本でも二本でも、生きてきた証を、これからも撮られることを望んでいます。そのためなら僕も力になりたいと思ってこの作品に参加しています。大作さんの魅力に引き寄せられて、スタッフもキャストもみんな「祭りだ!」と言いながら撮影をしていました。「これが映画なんだ」と教えていただいた気がします。そして、大作さんが僕に伝えたいこともいつも感じています。人前で恥ずかしいですが、ありがとうございます。

木村監督と岡田さん、固い握手とハグ

MC:木村監督、今のお気持ちは?

木村監督:
泣けって言っているの(笑)? まあ、本当に嬉しいですよ。ある番組で岡田さんが僕の家に来て対談をやったんです。僕の家の部屋の中は異常なので、それを興味深げに見ていた岡田さんですが、やはり俳優さんの中で僕のことに一番詳しいですよ、僕の過去も、僕の考えていることも分かっていますからね。現場で困っていると、スーッと来て「こういうのはどうでしょうか?」と言うんです。黒木さんをキレイに撮るために、何とか黒木さんを横に向かせようとすると、岡田さんはスッとそういう画になるように座ってくれたりするんです。「なんてすごいやつなんだ!」と思っていました。当然、西島さんも池松さんも、黒木さんもみんな、すごいんですよ。まあ主役は岡田さんだから岡田さんの話に絞って話しましたが、皆さん「素晴らしいを超えたすごい人たち」です。「若いのになんてすごいんだ!」と思いながら毎日、見つめていました。僕ね、見つめるのがクセで、俳優さんが休んでいるときも見ているんです。見つめているほうが多いくらいで、小田急で痴漢と間違えられますが...って冗談ですよ! 支離滅裂ですが、すごい人、すごい俳優さん、すごい役者の人たちです。

MC:最後に岡田さんからメッセージをお願いします。

岡田さん:
すみません、なんか、変な空気になって(苦笑)。本当に大作さんのインスタグラムとこの映画をよろしくお願いします。ぜひ大作さんをフォローしてください。もう一度でも二度、三度でも大作さんの"想い"を映画館で感じていただけたらと思います。こうして皆さんが足を運んでいただけるのが僕たちの喜びです。ぜひ、また映画館に来てください。よろしくお願いします。

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